No.26 そんなに万能だった?

 税理士になると毎年36時間の研修受講が義務付けられています。税法は改正が多いため常に自分の知識・見識のアップデートに努めなければならない、そのような趣旨から設けられているそうです。なお、新人の場合、登録月により不利益が出ないよう月割りで受講すべき時間数が少なくなっています。

 昨年11月、新人向けの研修会があり参加してきました。メインの講義は弁護士が講師でしたが、税務業務運営上のいろいろなリスクについて教えていただきました。

 その中で、とある税理士がある所得税法基本通達を知らないまま申告書を提出したところ、後日納税者から納税額が高額になったため損害賠償請求を受けたという話がありました。

 違和感を感じたのは法律ではなく通達を根拠に税理士に責任を問うていることについてでした。

 私は、学生時代、行政法のゼミに所属していましたが、そこで学んだことの一つに、「通達は下級庁の事務処理について拘束するけれども外部の人には対抗できない」という考えがありました。外部の人を拘束するのなら、行政の定めた通達ではなく国会で法律によって定めなければならないという話です。租税法律主義って言葉もありますよね。

 税法ですと、法律の一部が施行令(政令)に規定され、さらに施行規則(省令)に事務的な規定がされているのですが、通達は法律等の解釈や具体的取り扱いについて書かれています。

 さて、行政庁の行った賦課決定に不満がある場合は審査請求ができますが、この場合は、審査員が、行政において定めたとおりに事務処理されているか審査します。一方、裁判の場合、裁判官は、通達があることだけでは判断せず、法律によって、その通達が適法かどうか、その上で処分が適切かどうか判断する、そのように考えていたのですが。

 私が学んだ通達と税法の通達、同じ名称だけど別物のようです。

 敷地内にあるサザンカです。南側にクロガネモチが植わっているので、開花が遅れがちです。


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